この度、2020-21年度CCDO会長選挙の結果、第16期会長に就任することとなりました、日本空間デザイン協会の安藤誠一郎と申します。
10団体を超えるデザイン団体による協議会の6代目会長を務めさせていただくことは大変光栄なことではありますが、責任の重さを痛感しているところでもあります。
思い起こせば、私が初めてCCDOの活動に参加したのは20年前、2代目岡本会長の頃でした。多団体が共に活動する、他に例を見ない活発な協議会に胸を躍らせた記憶があります。そして3代目竹原会長、4代目安藤会長、5代目山内会長と3代の会長の下、15年間理事として協議会の活動に携わってまいりました。代々の会長の舵取りを身近で見てまいりましたが、世代的にもかなり離れた若輩の私が、偉大な先輩方の後を継ぎ、会長を務めることには些か戸惑いもあります。しかし、若輩者だからこそ出来ることもあるのではないかと意を固めた次第です。副会長、事務総長、事務局長の協力を得て全力を尽くす決意でおります。構成団体会員の皆さまのご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。
1988年7月15日に設立されたCCDOも昨年7月に創立30周年を迎え、昨年30周年記念事業を執り行いました。CCDOはこれまで30年間に渡り、愛知県、名古屋市などの行政機関や国際デザインセンター、名古屋商工会議所等と連携・協力して地域とデザインの振興に努めてまいりました。特に世界デザイン博覧会の開催支援に始まり、世界デザイン会議、世界インテリアデザイン会議、世界グラフィックデザイン会議の世界3大会議の開催協力、ユネスコデザイン都市なごや事業の推進など、この地域のデザイン振興に大きな役割を担ってきました。これまでのCCDOの命題はこの大義を達成することであり、会員の活動の動機もこのことであったと思われます。しかし、これからのCCDOの存在意義を考える上で、新たなる大義とは別に構成団体とその会員の活動、使命の動機となる何かが必要なのではないかと考えます。
昨今、会員のそれぞれの意識や考え方も多様化し、CCDOの役割や活動のメリットそのものが希薄化しております。30年の節目だからこそ、CCDO構成団体それぞれの意識とそのメリットを視野に入れる必要があります。次にデザイン啓発について、デザイナー視点で考える高いレベルのデザイン啓発だけでは、社会の理解やコンセンサスは、得られていないという危惧もあります。デザインの根幹である「コトづくり(問題提起)」と「モノづくり(問題解決)」を如何にわかりやすく伝えていくかを考えなければなりません。人に寄り添うことでこそデザインの真の力が発揮されるのではないでしょうか。「わかりやすいデザイン」をコンセプトにデザイン啓発の動きを活発に展開する必要があります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、人々の生活スタイルや働き方が変化し、デザインの取組みも大きく変化しています。この状況だからこそデザインの真価が問われるものと考えております。CCDOはその特性を活かし、活動を通して会員一人ひとりの「交流」を活発にすることを最大の命題とすべきではないかと思慮いたします。専門情報の交流は勿論のこと、専門や世代を超えて交流できる機会を増やし、一人でも多くの人がCCDOの会員であるメリットを見出していただきたいと思います。人々が、時代の要請を受けて「疎」に向かっていくこの時世に、あえて「蜜」な関係を築いていけることを期待しております。
最後になりましたが、山内瞬葉前会長をはじめ役員の方々、理事、副理事、各委員会で活動された会員の皆さまに心から敬意を表し、引き続き一層のご支援を賜りますようお願いして、就任の挨拶といたします。
中部デザイン団体協議会 会長 安藤誠一郎